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June 29, 2006

第9回&第10回アルジェント研究会

 この週末(7月2日)には、赤い魔女さん主催による第11回アルジェント研究会『オペラ座/血の喝采』が開催される(お申し込みはこちらから♪)というのに、なんつうかこちらの更新が滞っている間に開催された2回分のレポが未掲載でしたね。勿論、気づいてはいましたが(苦笑)。

 流石にそれぞれ4ヶ月、2ヶ月以上が経過してしまったので、具体的な記憶はすっかり忘却の彼方に消え去ってたりするのですが(そうでなくても「あ」のネタだし!)、簡単にそれぞれの様子をまとめておきます。

◎第9回アルジェント研究会 『スリープレス』&クラウディオ・シモネッティの映画音楽Part3

2006年2月4日(土)am10:30~@カメリアプラザ5階第2研修室

 メインのお題は、「あ」の劇場用監督第15作になる『スリープレス』。これまた「あ」の中でも微妙な立ち位置の作品ながら、当日は前回と同じく19名の参加者が出席。画像は作品のカラーに合わせた青いポロシャツ姿で登壇した赤い魔女さん。

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 こちらは会場に展示されたオリジナル版ポスター…なんだけど、光っちゃってますね。実はこの日、デジカメのバッテリーがほとんど無かったことに直前まで気づかず、撮り直しできなかったのよ。すまん。

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 資料性の高さに加え、本文部分のレイアウトもより見易くなった作品資料の表紙。

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 さて『スリープレス』は、赤い魔女さん曰く新しい分野を求めて迷走していた(つうか、彼の作品の迷走ブリはデビュー当時から現在まで一貫してるような気がするんですが-爆!-)「あ」が、崖っぷち状況の中で原点回帰を果たそうとした作品にあたるそうだ。

 作品解題は、そうした当時の状況を詳細に明かしつつ、ジャーロへの回帰に至った経過と、脚本協力した作家カルロ・ロッセリとのコラボの話題等からスタート。同じくロッセリ原作の『オールモースト・ブルー』の映像等も紹介しつつ、それぞれの役割・関係を語る赤い魔女さんの解説は興味深くかつ判り易いものだったけど、ベテラン監督「あ」と中堅作家ロッセリの関係を、黒澤明と若手作家に例えるのは、反「あ」じゃなくともいかがなものかと思うんでないかい(笑)。

 なお赤い魔女さんは、実際『スリープレス』の撮影現場を取材で訪れているので、製作秘話の一貫としてご自身が取材した時の撮影現場でのインタビューテープや、撮影現場の写真やその時のエピソードなどファンにとっては実に興味深い諸々の事項も併せて公開。殺人の起きる直前の現場で、そこには登場しない筈のロベルト・ジヘッティの姿を見かけ、カマをかけたところ毛布に包まっている殺人者をその時点では明かされていないジヘッティ本人が演じていたことも判ってしまったそうだ。

 なおゲスト・パネラーのT.Yasuiさんは、モレッティ捜査官を演じたマックス・フォン・シドーの関連作品等を中心に紹介。赤い魔女さんの作品解題同様に、こちらもノリノリで時間を超過し、結局前々回の積み残しクラウディオ・シモネッティの映画音楽Part3は今回も完結を見ぬまま第10回へと持ち越されたのであった。

◎第10回アルジェント研究会 『歓びの毒牙』&クラウディオ・シモネッティの映画音楽Part4

2006年7月2日(日)am10:30~@カメリアプラザ5階第2研修室

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 いよいよ研究会も10回を数え、記念すべきメイン作品は「あ」の映画監督デビュー作『歓びの毒牙』。こうして続けてアップすると、前回と同じ服だったのが確認できますね(爆!)>赤い魔女さん。やっぱりジャーロ系は“Almost Blue”ってことでしょうか?まぁ、僕自身の着たきり雀ブリ(つうか所持する服の枚数の少なさ)は、赤い魔女さんよりも段違いにSIDいとは勿論自覚してますとも(苦笑)。

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 当日の参加者は、前回比125%増になる25名が出席する盛況ぶり。

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 会場に展示されたオリジナル版ポスター

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 作品資料の表紙。いきなりネタバレスティールを持ってきてます。まぁ、この会の参加者で作品を見てない方はいないだろうけどね(苦笑)。

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 赤い魔女さんによる作品解題は、今回も映像資料を多用しつつ作品の成立から製作、各場面の意図、スタッフ・キャスト、そして完成後の評判とその後の展開についてまで、実に多岐にわたるものだった。その中でも、個人的に一番興味深かったのは本作にクレジットされてはいないが、作品に関与していた二人の人物の存在についてだ。

 その一人は、SF・ミステリー作家のフレドリック・ブラウン。ベルナルド・ベルトリッチからブラウンの『通り魔』を紹介された「あ」は、当初それをデビュー作として脚本化・映画化しようとしたらしい。ところが幸か不幸か、『通り魔』の版権料が新人のデビュー作としてはとても手を出せる額ではなかったため正式に版権を獲得することを断念。でもそのアイデアを流用して、新たな物語をでっち上げるのはOK!だよねというイタリア的発想から「あ」によって書かれた脚本が『歓びの毒牙』になったのだそうだ。実際、『歓び~』にブラウンがクレジットされてたら、僕的には絶対にブラウンに対する冒涜だろうと暴れただろうな(いや、『通り魔』は読んでないんだけどね)。なお『通り魔』は、1958年にガード・オズワルド監督により小説原題でもある『The Screaming Mimi』のタイトルで映画化されており、その一部が参考上映として流された。モノクロ映像も中々ムーディで、これは全編通して見てみたいものである。

 もう一人は、後に『暴行列車』等のジャーロ作品も監督することになるアルド・ラド。書きあがった脚本の推敲に参加し、助監督として積んだ現場経験から現実の撮影面での実現性等の助言を行ったのはラドだったそうだ。こんなところでも、ジャーロの人脈は繋がっていたんだね。

 またゲスト・パネラーのT.Yasuiさんは、音楽を担当したエンリオ・モリコーネを、関連作品のクリップを流しつつ紹介。今回は全体的に時間配分も順調で、4回までひっぱった赤い魔女さんのクラウディオ・シモネッティの映画音楽も無事完結を迎えたのだった。


参考リンク:第8回アルジェント研究会『わたしは目撃者』(第1回~7回のレポへのリンクあり)

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June 28, 2006

“真夏のホラーTVガイド!”7月にオンエア!

 スカパー318chにてオンエア中のホラー専門チャンネル ホラーTVでは、7月に新たなホラー情報番組が登場します。タイトルは“真夏のホラーTVガイド”。現在同局でオンエア中の情報番組“THE FUNKY HORROR SHOW 2”が黒ビキニ姿のホラーギャルズがキャピキャピと進めるなどホラー初心者向けライト・ヴァラエティ形式を取っているのに対し、こちらはもう少しマニアックな層に向けたものを目指しています。

 25分の番組は3人のコメンテイターが、MCの伊藤さとりさんのナビゲートにより、8月のホラーTV放映ラインナップの中から注目の作品、夏公開の新作映画、新作DVDについて語るという形式。コメンテイターの顔ぶれは、渋谷怪談 THE リアル都市伝説等の福谷修監督、映画文筆家の鷲巣義明氏、そして私、殿井が末席で参加させていただきました。この他、劇場公開新作の1本としてとりあげられた神の左手 悪魔の右手の原作者、楳図かずお先生もゲストとして登場。相変わらずハイテンションなノリは、生で見るとますます感動ものでしたよ(…とほとんど傍観者モード-苦笑-)。

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収録風景:左から収録が行われた六本木 ホラーバー 『トリック・オア・トリート』の館長D.ZOMBIE氏、伊藤さとりさん、楳図かずお先生、鷲巣義明氏、福谷修監督、殿井

 個人的な話をすれば、こういった番組の収録に参加するのは初体験だったので、噛みまくり、つまりまくりと見事なまでにぱんぴーぶりを露呈してます(苦笑)。でも、ご覧の通りのディープな顔ぶれが揃ってますので、番組としてはホラー・ファンなら楽しめるものになっているのではないかと。初オンエアは7月2日の20時30分からで、以後7月中はほぼ1日おきに1度ペースでリピート放送があります。スカパー!の視聴環境がある方は、この機会に是非とも加入して見てください。

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 因みに私の選んだ8月のお薦めオンエア4作品は

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 『怪奇!真夏の夜の夢』

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 『怪人!ドクター・ファイブス』

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 『死霊懐胎』

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 『プリズン』

の4本。なんか真っ当過ぎない?との声も身内から上がりましたが(笑)、私がホラーTVに求めているものは

1.日本での劇場公開、TV放映後ソフト化されていない作品
2.日本での劇場公開、TV放映後一度はビデオ等発売されながら、既に廃盤か現在に至るもDVD化されてない作品
3.完全に本邦未公開作品

等、ここだけでしか見れない(or 見るのが大変な)作品を1本でも多くということに尽きるんですよね。勿論、100%その線でなどと無理を言う気はないわけで、月に1・2本でも1.範疇のタイトルが入っていればホラー好きなら率先して視聴契約を結ぶ気になると思うのですよ(少なくとも自分はそう)。

 正直昨秋の開局当初は、上記3点で言えばかなり物足りない思いをしたのは事実だけど、年が明けて2月以降はコンスタントにそうしたタイトルが入ってきており、貴重な作品に出会う場としてはかなり充実度が上がってきてると思うんですよ。一例をあげると

2月
『怪奇!呪いの生体実験』(英国製マッドサイエンティスト・ホラーの傑作)
『ザ・パック 怒りの群れ』(ロバート・クローズが監督した70年代アニマルパニック)
3月
『恐怖の蝋人形』(ショック場面の直前に警告音が流れるが、実はショック度は大した事ない猟奇殺人もの)
『ギロチンの二人』(ヘンリー・スレッサー原作の怪奇サスペンス)
4月
『新ドラキュラ 悪魔の儀式』(ハマー・ドラキュラ第8作)
『ドラゴンvs7人の吸血鬼』(ハマー・ドラキュラ第9作)
5月
『怪奇!超自然の目』(オカルト探偵ものテレフィーチャー)

は全て日本ではDVDはおろかビデオにもならなかった作品ばかり。勿論中には迷作も混じってはいるけれど(笑)、そんなのも含めて一般的には精々大昔にテレビの洋画劇場で見たような記憶があるかも…レベルの作品が、こうして字幕版でオンエアされたのは快挙と言うしかないよね。今後も、まだまだ隠し球を持っているようなので、ホラーマニアなら今後もますますその動向から目が離せない筈!

 つうことで私の8月のお薦め作品は『プリズン』を除けば全て2.に属する作品なので、屑ビデオを蒐集してる方or近所にこれらの廃盤ヴィデオを未だに置いてあるレンタル屋さんがある方以外なら、なかなか貴重な放映と言えるでしょう。まぁ、画像でお判りの通り僕自身は全て手元にあったりするんですがね(笑)。“FANKY~”よりもよりコアな…という点では、4本中多分一番マイナーな『死霊懐胎』あたりをフィーチャーすべきだったかなぁと、ちと反省したりもしてますが、そのあたりは次回があれば活かしていきたいと思います。

 それと7月からの新番組では、米国製ホラー・オムニバス・シリーズナイト・ビジョンは、ジョー・ダンテ、トビー・フーパーらが監督したエピソードも含まれているので、個人的には楽しみかも。

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June 17, 2006

気になるDVD&『ミミズバーガ』再臨!

 今年も間もなく半年が過ぎようとしている。このままじゃいけない!…ってことで、何事もなかったように復活しよう。いや、実際書かなかったのは何事があったわけじゃなくて、単に自分の不明故なんだけどね(苦笑)。

 実はお気に入り&注目DVD情報は比較的コマメに追加してたんですが、やっぱりエントリーの方もアップしないと利用してくださる方は激減しますな。まぁ自業自得なんでこれまではこれまでとして(苦笑)、まずはこれからの注目DVD情報からどぞ!

 邦画は夏らしくJ-ホラーラッシュの注目作が目白押し。バッド・エンディングも含めて充実度の高かった清水崇の輪廻 プレミアム・エディションとシリーズ最恐を謳った福谷修渋谷怪談 THEリアル都市伝説 デラックス版(作品に関しては近々あらためてアップ予定)がそれぞれ7月14日に、『ランド~』の世界観を先取りしていた東京ゾンビ プレミアム・オブ・ザ・デッド (限定生産)が7月28日に、現時点では未見だがTVシリーズ版完結篇ということで有終の美をどう落とすか興味津々な怪談新耳袋 最終夜 DVD-BOXが7月5日にリリース。

 この他伝聞ではノリ的にはオリジナル版より『マグニチュード 明日への架け橋』に近いよ…とか聞かされ目っ茶不安なリメイク版日本沈没の公開と連動する形で、廉価版再発売となる日本沈没 TELEVISION SERIES プレミアム・ハザードBOXが7月5日に、大映特撮陣が東京を襲う猛暴風に挑んだ風速七十五米が6月23日にそれぞれリリース。後者は予告編しか見たことないけど、銀座を襲う洪水&暴風の描写はかなりの迫力だったのでかなり期待値大ですな。

 洋画の方も新旧&玉石取り混ぜてファンタ系はかなり充実。ジェネオンからは『サウス・パーク』チームによるタイトル通りのブラック・ファンタが特典付でのリリースとなるカンニバル!ザ・ミュージカル SPECIAL EDITIONが6月2日にリリース済み。『キル・ビル』の多数ある元ネタの1本として有名なクリスティナ・リンドバーグ主演の18禁アクション(まぁ、輸入盤と違ってボカシ入りまくりだろうけどね)ゼイ・コール・ハー・ワン・アイ ~血まみれの天使が6月23日に、H・G・ルイスのリメイクにしては、案外普通にすっきり楽しめる今風スラッシャーに仕上がった(コアなファンにはそこが不満かも!?)2001人の狂宴が7月7日にそれぞれリリース。

 2in1路線のトラマンは5月既発売のアンディ・ミリガンのガストリーワンズ/悪魔のセックス・ブッチャーの後者に続き、6月30日にはアサイラム・オブ・サタン/暴行魔ゴリラーの前者と二ヶ月連続でウィリアム・ガドラー初期2作品連続リリース祭りという狂いっぷり(褒めてます)。ブラック・エクスプロテーションを経る前のこの2作は、それ以降の物真似職人芸に比べるとかなり素人くさいのは事実だけど、オカルト趣味やヒッチコキアンぶりなどガドラーがもともと持っていた資質はよりよくでている。字幕がつけば、そのへんも輸入盤で見たときよりより深く感じられるんじゃないかなぁと、英語が不自由な自分としては思ってますよ。因みに7月28日リリースはトラッシュSFホラーの二本立てとなるフレッシュイーターズ 人喰いモンスターの島/クリーピング・テラーとのこと。個人的にはどっちも予告編しかみたことないので、興味津々。

 デックス・エンターテイメントからは、地獄へつゞく部屋』『恐怖の足跡』『リトル・ショップ・オブ・ホラーズという50's&60'sのモノクロ・カルト・ホラーのカラー着色版3タイトルが7月7日に同時リリース。この中ではウィリアム・マローンが『TATARI』としてリメイクしたウィリアム・キャッスルの地獄へつゞく部屋は、パッケージソフトとしては本邦初のリリースとなる。ここしばらくでは、輸入盤を除くと今は亡きディレクTVSFチャンネルのオンエア以外では見ることのできなかった作品なので、ホラーファンでも『TATARI』は見てても、このオリジナル版は未見という方はかなり多いのではないのだろうか。作品自体は亡霊バリバリ大暴れのリメイク版と異なり、実は怪奇ミステリーといった趣向の作品なのだが、ユーモラスさと怪奇趣味が一体となった独特のムードと、ヴィンセント・プライスの怪しくも貫禄のある演技はホラー・ファンなら必見。着色の効果に関しては現物を見てないので現時点ではなんとも言えないのだが、作品的にmust!な一本であることは間違いない。なおこの3本に、既発売の『ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド』着色版を加えたお買い得パックマスターピース・オブ・ホラー BOXも同時リリースとのこと。

 文化事業?として地道にホラーを出し続けている紀伊國屋書店=イマジカは、それをより特化させた位置づけみたいな感じでHORROR TVとの連動による「HORROR TV」DVDを始動。6月24日リリースとなるピエロ・エイリアンの必殺アサシン殺方も爆笑な50年台SFパロディキラー・クラウンを皮切りに、7月29日には冒頭の自殺場面連鎖がとっても美味しい70年代ジャーロ炎のいけにえと、第2のヒッチコック(達の中の一人)として注目されたリチャード・フランクリンの初期サイキックホラーパトリックがそれぞれリリース。ランタイムを見ると『パトリック』はかつて出ていた日本版ビデオよりも長い模様。「HORROR TV」DVD以外では、かつてフィルムセンターで『時代を通じての妖術』のタイトルで上映されたこともあるセミドキュメント風サイレント・ホラー魔女が7月29日に、そして昨年マニアのド肝を抜いた“映画はおそろしい”DVD-BOXの第2弾が6月24日にリリース決定!第2弾のタイトルは、じゃ~ん!映画はおそろしい <アントニオ・マルゲリーティ篇> DVD-BOXだ!…ってアンソニー・ドーソンかよ(爆)と思ったそこの貴方、早合点はよくないある。今回の収録作は、多少廉いところはあってもゴシック趣味溢れる呪館ホラー、『顔のない殺人鬼』『幽霊屋敷の蛇淫』の二本組なのだ。前者にはクリストファー・リーが、後者には妖花バーバラ・スティールが出ており、サディスティックな道具立てもそれぞれ効果的。前者はかつて『バック・トゥ・ザ・キラー』なるふざけた邦題でビデオ化されたこともあるが、今時まずは現物にはお目にかかれぬレアタイトル。後者はやはりSFチャンネルで放映されたくらいで、本邦初のパッケージソフト化である。怪奇を愛する者ならば、これまた避けては通れないタイトルなのだ。

 この他8月25日にユニバーサル・ピクチャーズからリリースされる“1500円!! 初DVD化/初廉価化&MORE!!”シリーズは、ジョン・ヒューズ作品を中心にコメディ路線がメインでここで扱うべきものはほとんどないのだが(あっ、でもときめきサイエンスは欲しいなぁ)、そんなラインに妖精たちの森なんて弾が紛れ込んでたりするので油断ならない。これはヘンリー・ジェームズの『ネジの回転』(映画版は『回転』他)の事件は何故起こったかを明らかにするエピソード1的作品で、無邪気な子供の恐怖を描いた作品としては忘れ難い一本。廉価版はamazonでも10%オフだったりするんだけど、この手のマニアックタイトルは、気をつけていないとあっという間に店頭から消えがちなので、マメに販売店をのぞけない方は、精神衛生上のことを考えれば早目にネットで予約しちゃった方がいいのかも。なおユニバーサルは、『ザ・カー』『ジェット・ローラー・コースター』『キャンディマン(特典付)』もいきなり廉価版発売するとの噂もあるので、今後の動向が要注目だね。

 それと自分がテキストまわりを手伝ったものとして、80年代スプラッターの代表作『マニアック』と、もう一つの『フリークス』こと『悪魔の植物人間』のリリースが9月になった模様。これもまた詳細判りましたら、あらためて報告します。

 さてここからは、趣向を変えてインディーズ・レーベルの話題をしよう。貴方は『ミミズ・バーガー』を知って(or覚えて)いるか!かつて80年代中期に吹き荒れたビデオ・バブルの嵐の中で、MiMiビデオというごく一部では異常なほどに支持された(その全貌はこちらを)レーベルから出ていた未公開映画で、内容は…タイトルまんまですな(笑)。ミミズを愛する男がいて、彼にとって邪魔な人間にミミズを食わせると、なんと食った人間は下半身ミミズのミミズ人間に変身!と相成るわけだが、そんなお話は兎も角としてひたすらモノホンのミミズをネチャネチャと食する場面が能天気な音楽にのせて映し出されるわけだよ。口に入れたものを人に見せてはいけないという最低限のエチケットさえ、毛頭は持ち合わせてないという事実を鋭く抉った大問題作。監督・主演を兼任し自らミミズを食いまくってるのはハーブ・ロビンズ。そしてロビンズの企画の映画化を買って出たのは、『アストロ・ゾンビーズ』や本作と同時にMiMiビデオからリリースされた『人間ミンチ』『シー・デビル』等の監督としても知られるテッド・V・マイケルズ。そしてこのテッドのことを「ルイス・ブニュエルよりシュールで、オーソン・ウェルズより計算高く、ラス・メイヤーよりインモラル」と称する熱狂的なファンが日本にもいたのだ。彼の熱意は個人でテッドと交渉し、権利を獲得し、ついにインディーズ・レーベルを立ち上げるとその第1弾として、日本版『ミミズ・バーガー』のDVDが完成してしまったのだ。

 その奇特なファンとは、日本でも有数の屑ビデオサイトとして知られるDEATH VIDEO 2000を主催するファイブス氏。かなり前から出すという話を聞いてはいたのだが、昨晩氏の卒業制作作品(いや、今見てかっこいいよ!)を含む上映会で会う機会があった時に、一昨日プレス先から搬入されたばかりという現物を手渡された。マジで作っちゃったよ>この男。いや、勿論出すといっていた以上、絶対出すとは思っていたけど現物を見ると感無量だぁ。つうことで商品画像紹介!

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 日本版ジャケット(表)

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 日本版ジャケット(裏)

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 封入特典:フォトアルバム(表紙とも12頁)

 ジャケ回り及びブックレットデザインは、エクスプロテイション・ムービーサイトLMD主催の中村氏。この画像じゃわかりづらいかと思いますがジャケ裏にもうっすら浮かび上がってるアムガーがナイス!なおフォト・アルバムには「私はミミズが嫌いです」と明言する(よかった、同じだよ-笑)テッドのメッセージも収録されてます。しかしなんといっても驚きはこれ!

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 封入特典:直筆サイン&手の油つきカード(激爆!)

 画像右上部のサインですが、これ印刷じゃありません。ファイブス氏がアメリカに送ったカード1000枚に、プロデューサーのテッド本人が直筆サインをしたものなのだよ。いやそりゃテッドがメジャーだって主張する気はさらさらないけど、それでも普通に考えたら極東からのこうした依頼に二つ返事にOK!はしないだろうて。このあたりは、間違いなくファイブス氏の熱意の賜物なんだろうね。なお、これが『ミミズバーガー』なのか!ってくらいセンスのいいこのカードは、映画秘宝等でもイラストを描かれているオーグロ慎太郎によるもの。

 映像の方は、テッドのオリジナル・ポスター等をシャッフルさせるレーベル・オープニング・タイトルが目茶カッコいいぞ。そうそうファイブス氏は、これ1本だけではなく、今後も継続してテッド作品のリリースを計画中なのだ。レーベル・タイトルは“it's Alive!!”そう、『フランケンシュタイン』の有名な台詞であり『悪魔の赤ちゃん』シリーズの原題ですな。語彙通りにシブトク頑張って欲しいものです。

 本編画像は、ジャケにご本人も書いているように、正直ビデオ並。でも、普通のメーカーであっても、案外このレベルで商品化しているところも少なくないし、なんといっても今時このビデオをレンタルしてるショップや、持ってる輩ってほとんどいないだろう(…なんて書くと、俺は持ってるコメントが身内から山のようによせられそうですが、それは勿論判ってるんで却下します。あくまで一般論なんだからね)から、新たに流通するってことは重要だよね。現物に触れる機会が無かった若い世代の方は、このDVDでエリーゼのために=ミミズダンスをインプリンティングされてください。

 映像特典はオリジナル版予告編&MiMi版で現存が確認された『ミミズバーガー』『シーデビル』『テン・バイオレット・ウーマン』の予告編。MiMi版のうち最初の二作はかなり短めだが、『テン~』などはナレーションの寒さが結構すごくて感動。多分このソフト以外では、なかなか見れないという認識で間違いないかと。

 販売形態は、“DEATH VIDEO 2000”内の注文頁からの受付が中心だが、中野のタコシェでも限定店頭取り扱いもあるそうだ。現在好評発売中で、本体価格は¥1500+通販の場合はメール便送料1枚¥180。本当に一人でやってることなので、発送までに少々時間を要するかもしれないがそこはご容赦のほどを。作品の性格を考えると、万人に買え!と薦めることは憚られるかもしれないけれど、ホラーやファンタの愛好家なら、作品的にも、また個人がその情熱でこれだけの形をなしえることができる証左としても手元に置いておいてしかるべきものでしょう。氏との個人的な関係抜きで、そう断言する!なおプレス数は限定1000枚。これが軌道に乗れば、次は『アストロ・ゾンビーズ』のリリースも計画中とか。君も字幕付で見たいだろ!>懐中電灯で自家稼動ゾンビ!!少なくとも俺は見たいぞ!!

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