“超!ストレンジ・ムービーナイト”+1本@東京ファンタ2005
明けて本日よりから東京国際映画祭週間に突入だ。とりあえず今年の自分的なテーマは、「映画にも自分にも優しいスケジュールを心がける!」って感じかな(笑)。去年は「無駄なく、一本でも多くの作品に接する」だったんだけど、終わってみれば観たはずなのにイマイチ記憶が曖昧な作品がやたらと多かったような。いくら数を見ても、それじゃ逆に各作品に対して失礼だろって、反省にたって臨みたいかなと。でも未だスケジューリングは、イマイチ立てきれてないし。しかも昨日目覚めたら、そこはかとなく咽喉が痛くて鼻がぐずついてるし。大丈夫か>ぢぶん。
つうことで結局1週間後になっちゃったけど(苦笑)、本祭が始まる前に、今年で21回を数えた東京ファンタの感想なんぞを、駆け足で行って見よう。

今回は行ったのは、14日の夜の“超!ストレンジ・ムービーナイト”と、明けて15日午後一の『スケルトン・キー』のみだった。“超!ストレンジ・ムービーナイト”は、運営者サイドの挨拶でも「今年はホラーに留まらない奇妙な作品を選んだ」みたいなことを強調していて、まぁ、確かにその気持ちが判らないでもないけれど、これまでだってホラー・オールナイトでストレートなホラー以外の作品が入ってることはあったんだし、素直にホラー・オールナイトと謳うんでよかったんじゃないかな?つうのは、「今年はホラー・ナイトが無くなったからいかない!」的な常連さんの意見も、少なからず耳にしたんで、それで客が減ったなら勿体無いぞってね。実際作品的には3本とも力作揃いで、オールナイトプログラムとしての満足度はかなり高めだったよ。ただ映画祭上映という観点からすると、やはり3本とも劇場公開決定作品というのはちょっと寂しいよね。いろいろ大人の事情はあるのだろうけど、せめて1本くらいはここでしか見れない作品をセレクトして欲しいところ。
『変態村』

どさ回りの歌手・マークは、立ち寄った寒村のペンションの主人に監禁されてしまう。主人はマークのことを、元歌手で彼の元を去った妻だと盲信していたのだった!乱暴な言い方をすれば、ギャスパー・ノエが『悪魔のいけにえ』を撮ったらこうなるのでは?…ってノリのビザール・サイコ・スリラー。クライマックスの悲鳴と哄笑が交錯する“家族の肖像”な場面とかは、『悪魔のいけにえ』のをほとんどトレースしたもので狂騒感はなかなか。またマークの受難も、かなり直接的で痛い。でもそうした直接的な表現よりも、全体的には欧州映画らしく静かなトーンの劇中に時折挿入されるビザール感覚が強烈だ。家畜とかね。中でも酒場でのダンスの禍禍しさは、やば過ぎて必見。因みに原題は“受難”だとのこと。流石はトルネードフィルムだよね>邦題(苦笑)。なお、登場シーン自体は多くは無いが『フェイスレス』『猟奇殺人の夜』等のブリジット・ラーエも出ているので、ファンの方は要チェック。
☆2006年春、ライズXにてロードショー!
上映後に行われた“ストレンジ・ムービートーク”。左から大場渉太PD、みとめまゆみ嬢、塚本晋也監督、スクリーミング・マッド・ジョージ氏、園子温監督、山口雄大監督。因みに、4監督のお気に入り“ストレンジ・ムービー”は『サスペリアPART2』(山口)、『ゾンゲリア』(園)、『ホーリー・マウンテン』(ジョージ)、『拘束のドローイング』(塚本。審査員として参加した今年のヴェネツイアで見た新作とのこと。日本でも、来年以降公開予定とか。)。
『MEATBALL MACHINE ミートボールマシン』

舞台挨拶で山口雄大監督自身もコメントしていたように、まさにファンタ・ファン御用達なスプラッター・アクション篇。前作にあたる『プレゼント』の殺戮描写が、VFXと特殊メイクの併用で描かれていたのに対し、同じくストレート路線でも本作の方は、ほとんどが生で勝負のアナログ処理。それを廉いと感じる向きもあるかもしれないが、80年代後半頃からのファンタ全盛期の作品を指向するという点では、これが実に懐かしくも正しいのだよ。実際、ストレート路線であるにも関わらず、寄生されちゃったガキンチョの末路のやり過ぎ感とかには、思わずガッツ・ポーズをとりながら一人爆笑しちゃったぜ。『魁!クロマティ高校 THE MOVIE』『プレゼント』に比べると、インディーズ的な匂いが逆に濃厚になり(製作体制はかなりそちらに近かったそうだ)、純情ヘタレ主人公とドン引き過去を持つヒロインの純愛とバトルという展開は幾分まとまりに欠けたきらいもあるけれど、それを補って余りあるパワフルさで押し切っている。ところで、この作品自体は共同監督を務めた山本淳一によるインディーズ作品のリメイクなのだが、ネクロボーグ同士は互いに殺しあわなくてはならないという部分なんかは、山口が脚本・第二版監督をつとめた『VERSUS』にも影響を与えている『ハイランンダー 悪魔の戦士』を彷彿とさせますな。
☆2006年春、ロードショー!
『MEATBALL MACHINE』御一行様。左から手塚とおる、高橋一生、河井青葉、山本彩乃、増本庄一郎、山口雄大監督、西村喜廣特技監督。
劇場ロビーには、実際の撮影で使われたネクロボーグが展示されていた。因みに、このスーツを着用しての撮影は、役者の体力的に6時間が限界だとか。デザインは雨宮慶太と、これまたあの頃のファンタ・ラインだね。
なお本作のネクロボーグ等&『Strange Circus』の特殊メイクを担当した西村喜廣氏が主催する西村喜廣映像工房の出店もあり(この日は3階ロビー、明けて15日はシネシティ広場にて)、特殊メイク体験コーナーや限定グッズの販売も行われていた。限定グッズは一つ一つが皆手作りの一品物。僕は雑な性格なんで、細部が壊れたりすることがなさそうなキューブ入りストラップを購入。これ、暗闇では妖しく光るのよ。
『Strange Circus -奇妙なサーカス-』

オールナイトの3本目ということで、きっと寝るに違いないと思っていたが、睡魔に襲われるどころか思いっきり作品にひきつけられて、オールナイト終了後近くのサウナに行ってもなかなか睡魔が戻って来ずに困ったよ(苦笑)。歪んだ愛欲という忌わしいトライアングルの両端にいる母と娘。二人に交錯する嫉妬、欲望、同一視、狂気…諸々の感情と待ち受けていた悲劇…。お話の詳細について、それ以上は控えるが、ドロドロでトリッキーな物語をミスリードの要素をまぶしつつ、見終わってみればそれらが整然とはまる計算されたシナリオは、これまで見てきた園監督作品の中では、最も明晰なのではないだろうか。エログロなのに美しさを貫いた映像、これが女優復帰作となる宮崎ますみ(あのランドセルになりたい-爆-)を初めとする役者陣の好演もポイントが高い。
☆2005年12月、新宿トーアにてロードショー!
『Strange Circus-奇妙なサーカス-』御一行様。左から宮崎ますみ、いしだ壱成、大口広司、高橋真唯、不二子。園監督はうっかり欠けてしまったので、トークショーの画像を参照してね。
『スケルトン・キー』

明けて15日の“ハリウッド・王道サスペンス&ホラー”の1本目として上映されたオカルト・ホラー。医療の道を志すキャロライン(ケイト・ハドソン)が、住み込み看護として働くことになった邸宅で体験するミステリアスな出来事を描いたもの。本作のキーとなる“HooDoo(フードゥー)とは、願いを叶えたり、敵を呪ったりするための呪文・施術等の民間呪術のことで、宗教である“VooDoo”とは別物とのこと。そしてそれが効果を発揮するには、かける方、かけられる方共に呪術を信じることが不可欠なんだとか。そこで展開される物語自体は、非常にオーソドックスで、“HooDoo版”『●魔の●●ツ』とか書いちゃうと、判る人には一目瞭然だろう。でも信じることという大前提に対するキャロラインの心の動きを丁寧に追う描き方や、ムーディーな映像で安心して楽しめる佳作であることは確か。舞台となるのは、先だっての台風被害が大々的に報道されたルイジアナ。ここは音楽が有名であると同時に、マルディグラやブードゥー教などオカルト的な風土でも知られているのはご存知の通り。都市部を舞台にした『エンゼル・ハート』や『ドラキュリア』などでも、独特のムードが醸し出されていたけれど、本作では南部の深奥部の湿地に立つ邸宅とまさにゴシックホラーど真ん中である。実際、スコープ・サイズの構図を活かした館の佇まいが、ミラノ座の大スクリーンに映し出されると、怪奇ファンならそれだけでも興奮なのだよ。
☆2005年12月23日、DVD発売!
入場時に配られた“HooDoo”アイテム。中身は善なる呪術に使用するアイテム3種の中から1点が入っている。口を閉じたシールには「開演まで開封厳禁」とあったけど、
確かにこれをぶちまけられたら、劇場側はたまらんだろうな(笑)。つうことで、中身は細かく砕かれた“煉瓦片”。本編中にもたびたび登場したが、これを入り口等にまいて置くと、敵の侵入を防ぐことができるのだとか。因みに中身が判らないようにランダムに配られていたアイテムの後二つは、願い事を叶える“白い羽ペン(黒は負の願い用)、色事にそれぞれ別の運をあげる“蝋燭”だった。なお、帰りがけにもまたまた余ったアイテムが配られていたのだが、僕に当たったのはやっぱり“煉瓦片”だったよ。はいはい、どうせ、敵多いですよ(苦笑)。


Comments
おぉ宮崎ますみ復活ですか!
母親役・・・なんですよね?
横にいるのがいしだ壱成(NARUTOの劇場版で声優やってたんですね)とか、久々感のある面子のような気も。
Posted by: 印度洋一郎 | October 22, 2005 at 09:46 AM
母親であり、娘であり…みたいな感じ?(笑)。
単館公開のようなので直ぐには難しいかもしれませんが、機会があったら、是非その目でお確かめください。
Posted by: 殿井 君人 | October 23, 2005 at 02:49 AM