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February 17, 2005

『フィーメイル』完成披露試写会

 復活予告をしたわりには、映画ネタ書いてないっすね。お蔭様で今週は、試写3本はしごを3日連荘だったりと、観る方はかっちり復活&堪能してるんです。でも、身体がついていかなくて…とか、見苦しく言い分けしたりしてみたりして(爆!)。とりあえず今回は、舞台挨拶なんぞもあったんで昨日3本中最後に見た披露試写会の作品を…。

『female【フィーメイル】』(配給:東芝エンターテインメント

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 企画としては、ショートフィルム競作シリーズ“Jam Films”から生まれた作品(前作『Jam Films S』が集大成を謳っていたためか、タイトルに入って無いけど、製作体制・コンセプトは間違い無くシリーズ第4弾)。今回のコンセプトは、“女性”と“エロス”と言うことで、5人の気鋭女流作家が映画用に書き下ろした(但し、小説版は映画完成前に掲載&刊行済み)5作品を、5人のクリエイターが競演したプロジェクトなのだ。つうことで、昨晩の舞台挨拶コメント等を交えつつ、作品の紹介だ。

「桃」
原作:姫野カオルコ/監督:篠原哲雄/長谷川京子、野村恵理

 東京でOLとしての日々を送る淳子は、中学時代の恩師の死の知らせに、今でも昔同様に一面桃畑が広がる地へと帰郷した。淳子はかつて、そこで若い独身教師とさんざん「いやらしいこと」に浸ったのだが…。

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 作者自身が「すごく映像化しにくいものを書いて、監督や脚本の人を困らせてやろうと思いました」と語っている原作を割り振られ、「原作5本読んで、これは一番…」と思ったことを素直に認める篠原監督。それから、姫野さんの他の小説を読み漁り、その過程で本作が長篇『墜落』から来ていることに気づき、映像化の糸口がつかめたとのこと。でも、原作を知らずに見た感じとしては、何度か原作のフレーズのスーパーが入ることを除けば、素直に映像的な楽しさ、快感に満ちていて、監督のご苦労を感じさせないくらいに仕上がっていた。夕暮れの木洩れ日を受けた長谷川のフォトジェニックな表情と、一変して生々しくエロチックに桃にかぶりつく姿の対比も効果的だったよ。なお、この日の舞台挨拶によれば、長谷川が桃にかぶりつく場面は、当初スケジュールとしては初日に撮ることになっていて、篠原監督的にも困難を予想していたとのことだが、天候等不可抗力の要因により、結局長谷川の撮影予定最終日まで延びてしまったことにより、彼女とのコミュニケーションも深まり、満足のいく場面を撮ることができたのだとか。なお、冒頭部分に登場する占い師役は、原作者の姫野さん。ファンの方は、要チェックね。

「太陽の見える場所まで」
原作:室井佑月/監督:廣木隆一/大塚ちひろ、石井苗子、片桐はいり

 熟女ホステスが乗り込んだタクシーは、若い女にハイジャックされていた車だった。中年女運転手を含め、世代が違う3人の理由あり女が乗ったタクシーは、動く密室内で様々なドラマを生み出しつつ、深夜の街を疾走して行く。

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 「最後にちょっと、マニアックなエロがありますが、“エロ”というよりは“お笑い”担当ですね(笑)」という廣木監督の言葉どおり、3世代の女たちによる笑えて最後は前向きな気分になれる、ミニロードムービー。『ヴァイヴレーター』の裏(女だけ)版的な、ライト感覚がいいよね。それと『天使の誘惑』はやっぱり名曲。

「夜の舌先」
原作:唯川恵/監督:松尾スズキ/高岡早紀

 工場勤めの正子は、上司との厭々デートの代償として行った南国で、「不幸な人を幸せにする」とのふれこみの、怪しい香炉を手に入れて…

 5編中、一番ストレートにエロチックが描写を盛り込まれているエピソード。すっかり大人の女になっていた(「すんません、自分の印象って『バタ足金魚』で停まってたもので(苦笑)」)高岡のネットリした濡れ場も勿論惹かれますが、ファンタジーとは言えエロスがタナトスへと転化して行く過程が結構納得みたいな。なお松尾監督は、スケジュールの都合がつかず、この日は残念ながら欠席。

「女神のかかと」
原作:乃南アサ/監督:西川美和/大塚寧々

 え~と、東京電力の“エコキュート”CMの大塚寧々版みたいな感じ?(笑)。でも、これがまたええんだよねぇ~(爆!)。

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 今回の企画って、女流作家の原作を男の監督が映像化するシリーズなのかな…?っと思ってたら、本作のみは『蛇イチゴ』を撮った西川が監督なんだよね。しかも、男性監督は女性を主人公(語り部)に置いているのに対し、本作のみは小学生とは言え男の子側から同級生の母への目線で描いているのがなんか面白いよね。個人的にも、マイ・母より友人のお母さんという感覚は、やっぱり記憶の片隅に残ってて納得だし(笑)。「原作は他の4本に比べても随分とボリュームがあり、どう纏めて行くかに腐心しましたが、女性のエロティシズムを描くことに対する作者の躊躇が、私の躊躇と重なっているように感じられ、いけると思いました。大塚さんは、同性から見てもアンタッチャブルな感じで、その得も言わぬ色気を切り取ろうと思いました」。その言葉に偽りはなく、無防備なようであり、意図的に誘っているようでもある大塚の二面性はかなりそそられたよ。

「玉虫」
原作:小池真理子/監督:塚本晋也/石田えり

 白髪の“じじい”に囲われ、彼を待ち望み過す一人の女。だがある日、じじいは一人の若い男を女のもとに連れてきて…

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 製作発表で、「ベロベロのグチョグチョのベチャエロの作品になれななぁ…」と語った塚本監督だが、この日自らも語ったように、性の話になるとやっぱり案外健全…というか、結末をそっちの方に持っていく傾向があるみたいね。でも、石田えりがピンクのチュチュで“渚のシンドバッド”を踊る場面には、この人の肉体への信望ぶりをあらためて感じさせられたよ。

 そんなこんな全体を通して観終っての感想としては、同じく1本20分程度の短編オムニバスだった『Jam Films 2』の時みたく無駄に中途半端に長いだけの作品に喝を入れているみたいに、濃密で充実した作品ぞろいで満足度はかなり高い。寒い日故に、館内のヒーターがフル稼働だったのもあるかもしれないけれど(笑)、見ているだけでも熱気にあてられそうになるみたいな快感。だぁ。正直、『2』を見た時には二度と見てやるかぁっ~!とか思い、そのあおりで『s』も見ず終いだったシリーズなんだけど、今回の『female【フィーメイル】』は、各話20分強の長さと言うショートショートよりはかっちり長い時間を、作り手が語るべきものを持って臨んでいる充実度感が感じられて自分的には大満足だったよ。

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(2005年2月16日 午後6時30分~ 完成披露試写会・スペースFS汐留にて)

☆2005年初夏より、渋谷シネ・アミューズ、シネ・リーブル池袋他にて全国順次ロードショー!

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